【新年のご挨拶】駐ナイジェリア日本国大使からのメッセージ

令和6年1月1日


 新年明けましておめでとうございます!
駐ナイジェリア日本国大使の松永一義です。2024年を迎えるにあたり、3年目を迎えたこの活気に満ちた国での私の旅路を思い出しています。この間、私のナイジェリアとのつながりは深まり、ナマズのペペスープなどナイジェリア料理への愛着も深まりました。昨年、私は、陸と海との最善の組み合わせ料理として、海老入りオクラスープの美味しさを知りました。これは、この1年間の私たちの二国間の取組にぴったりの比喩であり、異なる要素の組み合わせが、私達の協働に付加価値を与えたのです。
 
2023年は、特にティヌブ大統領の就任という記念すべき年でした。この機会に、日本政府は、日・ナイジェリア友好議員連盟会長の田中和徳衆議院議員を特使として派遣し、ボラ・ティヌブ大統領を表敬訪問するとともに、岸田文雄総理大臣からの親書を届けました。私達の協力関係は、経済成長への道を開き、二国間の絆を強化してきました。
 
私達の2023年の関係はビジネスで始まり、ビジネスで終わり、目覚ましい進展が見られました。1月に東京で開催されたナイジェリア・日本ビジネスフォーラムには約100人のナイジェリア政府関係者と企業代表が参加し、11月にラゴスで開催されたラゴス国際見本市には33社の日本企業が参加したことは、私達の経済パートナーシップが拡大していることの証左です。大塚ニューロシューティカルズ社のオグン州での新工場の起工式に見られるように、日本企業のナイジェリア経済への貢献は益々大きくなっています。これは私達の経済的な結びつきだけでなく、雇用機会の創出と成長促進へのコミットメントを表しています。
 
安全保障分野では、日本の貢献は、ナイジェリアの海賊対策能力の強化、暴力的過激主義や武力紛争からの市民保護に役立っています。私達の専門訓練コースと高速警備艇の提供計画は、ギニア湾における海賊事件の更なる減少につながり、また今後もつながり続けるでしょう。それによって治安情勢が改善され、日本のさらなる投資への道が開かれるのです。このような安全保障と経済成長の相乗効果は、両国関係の強さの証です。
 
また、文化・スポーツ交流も盛んです。空手、柔道、合気道等、日本の様々な武道の道着寄贈をはじめ、第2回ナイジェリア空手道日本国大使杯の開催など、数々の取組は、文化交流と相互理解に対する両国のコミットメントを象徴しています。
 
国際協力機構(JICA)特別顧問の北岡伸一教授は、アブジャ大学の学生や学者を対象に日本の近代化について講義を行いました。その目的は、日本の経験から学ぶことで、ナイジェリアが持続可能な開発のための能力を構築する手助けをすることでした。
講義の後、私はマンガ本を寄贈し、ナイジェリアの若者たちと交流し、多様な文化の豊かさを理解する未来のリーダーを育てたいという私たちの思いをさらに強調しました。
 
今後は、2025年に開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けて、アフリカの指導者たちや国際機関の代表者達を日本に招待することに注力していきます。今年は、会議を成功させ、両国のパートナーシップをさらに強固なものにするための土台を築く上で、正念場となるでしょう。
 
最後に、2024年が協力に富んだ相互成長の未来となるよう期待しています。ナイジェリア料理の多様な食材が集まって特別なものを生み出すように、私達の取組もまた実りある結果をもたらすのです。日本とナイジェリアの友好と協力、そして繁栄が続く1年になりますように。
 
ありがとうございました。
 
ナイジェリア連邦共和国駐箚特命全権大使 松永一義