【大使館案内】在ナイジェリア日本大使からのメッセージ
平成30年5月25日

ナイジェリアは、約2億人の人口と豊富な資源等を擁するアフリカ第一の経済・政治大国であり、我が国が対アフリカ外交を進める上でも非常に重要な国です。そのような国に日本政府を代表する大使として赴任できたことを光栄に思います。
私は福島で生まれ育ち、剣道を通して心と身体を鍛え、外務省では経済や経済協力を始め多様な分野を経験してまいりました。ナイジェリアは私にとってフロンティアですが、これまでの知見を活かしつつこの国の歴史や文化を真摯に学び、日本との二国間関係並びにアフリカ地域及び地球規模の課題での協力関係等の推進、そして何よりも邦人の皆様の活動支援と安全確保に全力で取り組んで行きたいと考えています。
まず、経済分野においては、伝統的な分野のみならず、東日本大震災以降天然ガスの輸入が急増していることに加え、近年では、様々な分野で日本企業の当国への進出の機運が高まっています。実際に現地生産を行う工場を設置する企業を含め、進出日本企業数も順調に伸びています。日本企業の当国への更なる進出がナイジェリア経済の強化にも資するとの信念の下、日本企業の活動を支援してまいります。
開発協力の分野では、2016年にケニアで開催されたTICAD VIで打ち出された「経済多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進」、「質の高い生活のための強靱な保健システム促進」、「繁栄の共有のための社会安定化の促進」の三つの柱は、どれも現在ナイジェリアが直面する課題に対応するものです。来年は、日本でTICAD VIIが開催される予定です。三本柱をフォローしつつ、TICAD VIIに向けて、ナイジェリアとの開発協力を促進してまいります。
文化面に目を転じますと、ナイジェリアは、文学、音楽、映画等の分野で傑出した文化大国であり、また、情報発信大国でもあります。アフリカ大陸初のノーベル文学賞を受賞したウォーレ・ショインカ氏等影響力のある文学作家や、アフロ・ビートの発祥した国として音楽アーティスト、ハリウッドやボリウッドとも比べられる「ノリウッド」と呼ばれる映画(映像)産業はよく知られているところです。このような国との文化交流等を通じた二国間関係の強化のために働くことが出来ることを嬉しく思います。
明年ナイジェリアは、大統領選挙を初めとする選挙イヤーを迎えます。平和裡に行われ、スムースな形で政権が委譲された2015年の大統領選挙では、ナイジェリアは国際社会に対してその民主主義の進化を証明いたしました。明年の選挙も、2015年同様平和裡に行われることを期待し、政治の分野での交流や協力の強化にも傾注していきたいと考えます。
在留邦人の皆様には、安全情報提供等を通じ、当国での生活・滞在がより安全、快適なものとなりますよう、館員一同、誠心誠意取り組んでまいります。
この興味尽きない国で大使として活動するに当たり、皆様方からのご指導、ご協力を心より宜しくお願い申し上げます。
特命全権大使
菊田 豊